以前から気になっていた「ラウンドアップ」。
名前だけでも聞いたことのある人や、実際に使っている人も多いと思うけど、
ラウンドアップは、米国の農薬大手モンサント(Monsanto)が開発した除草剤で、効果はかなり高いと評判だ。
モンサント社は、除草剤の他に自社で開発したラウンドアップに耐性を有する遺伝子組み換え作物も販売していて、米国では遺伝子組み換え作物の利用も急速に拡大。品種としては、大豆、トウモロコシ、菜種、ジャガイモなどで日本でも一部使用が許可されている。
除草剤「ラウンドアップ」は、植物の葉に少量かけるだけで、薬剤が茎を通って根に到達し、すべて枯らせてしまう力を持っている。成長速度の速い竹などにも有効。御存知の通り、竹の根は下手すると住宅にまで広がってくるから大変らしいよね。。。
さてさて
この「ラウンドアップ」。
除草剤としての効果も高いようだけど、人体に与える影響も大きいようで、
先日、米カリフォルニア州で末期ガンと診断された男性が、ガンになったのは「ラウンドアップ」のせいだとモンサント社を提訴し、陪審はモンサントに320億円の支払いを命じたんだよね。
この男性は、学校の校庭などを管理する仕事(グランドキーパー)をしていて、2014年に白血球が関与するガンの非ホジキンリンパ腫と診断された。
世界保健機関(WHO)の外部組織である「国際ガン研究機関(IARC)」も2015年にラウンドアップの主成分(グリホサートという成分)には「発がん性がある可能性がある」と指摘していて、今回の裁判につながったようだ。
IARCが発表したグリホサート(ラウンドアップに含まれる主成分)の見解は、グループ2Aという上から二番目にリスクの高いもので、問題はこの「グループ2A」の意味が、発がん性の強さを表すものではなく、「発がん性があると言える根拠」で分類しているということ。
IARCは「グリホサート」は、
”人の非ホジキンリンパ腫に対して限られた根拠があり、さらに動物実験では発がん性の明白な根拠がある”
と結論づけている。
要はラウンドアップに含まれる「グリホサート」は、ガンになる根拠があると言っているんだよね。
今後、同様の訴訟が増えてくると思うけど、日本でもモンサント社の「ラウンドアップ」は大量に売られているし、使われているけど、内閣府食品安全委員会は、グリホサートにおける発がん性や遺伝毒性はないと言っている。
どうなんだろうね?
発がん性のある物質が含まれる商品は、ラウンドアップだけじゃないし、1商品に人体に影響の無い含有量であっても、複数商品に発がん性のある物質が含まれていたら、問題が無いとは言えなそうだしね。
まぁカリフォルニア州で「発がん性」があると裁判で敗訴したからと言っても、発がん性の可能性が低いと言っている国や機関の方が圧倒的に多いわけで、「ラウンドアップ」が市場から消えるかと言うと、そういうものでもないと思う。
でもガンは毎年増加傾向にあるわけで、1商品の発がん性物質含有量だけで判断する規制も古いような気がするし、見直し時期が来てるのかもしれないよね。
モンサント社は、ベトナム戦争で使われた枯葉剤の製造メーカーでもあり、遺伝子組み換え作物の種の世界シェアが90%という、とんでもなく影響力のある大企業。
欧州では、モンサント社の遺伝子組み換え作物の強引なシェア獲得商法が問題となっていたけど、いまではドイツのバイエル社に買収されて、利害関係も複雑に絡んでいる状態。
こうなってくると
白が黒にもなり、黒が白にもなってしまう懸念がある。
M&Aは、世界の潮流。
ただ企業というものが少し大きくなりすぎてしまったように感じるのはオイラだけではない・・・はず。。。