スルガ銀行の不正融資問題の記事(2018.05.18)が、日経の7面に出ていた。
問題となっているのは、女性専用シェアハウスの所有者(オーナー)の信用力を確認する資料や契約書を改ざんしていた疑いがあること。
相当数の社員が不正を認識していた可能性があるようで、今後の調査推移によっては、スルガ銀行の経営への打撃は大きいと思う。
スルガ銀行は10年前から不動産関係に携わった人の採用に力を入れていたようだ。当初は不正目的ではなかったのだろうけどねぇ。。。
今回の「シェアハウス融資」では、契約の際に提出する預金額や年収などを偽って融資を引き出させていたもの。預金が100万もないのに、数千万あるように見せていたケースもあったようだから驚かされる。
銀行の出世競争は壮絶で査定シートを意識して行動している行員も多いらしく、ひとつの失敗によって、出世競争から離脱してしまうリスクがあることから、上記のような不正を勝手に進行するサラリーマンはいないはず。
当然、上司に相談するわけだから
営業マン → 支店長 → 部長 → 役員 → 社長
という流れになる。通常業務の確認作業であれば、支店長クラスでも判断できるだろうけど、内容が内容だけに社長まで届いていると考えるのが、普通だろうと思う。
出世競争から落ちないよう慎重に進む銀行員が、単純に成績が欲しいからといって不正を率先して行うアホ行員はいないわけで、部長だって、役員だってクビが飛んでしまうような案件にGOサインを出すわけがない。
とは言っても、銀行って結構不正融資が行われているらしいから、氷山の一角かもね。
政治家の口利きなどで得た飲食業の開業資金であれば、儲からなければつぶれてお終いだから同じ不正融資でも表面化しにくい。
それじゃあ、なぜ騒がれているかというと、
サブリース契約で購入したマンションのオーナーに、賃料が支払われなくなったから。
サブリースというのは、不動産会社が「家賃を○年間保証する」というもので、契約書の不正にかかわっていたスマートデイズ(経営破たん)という不動産会社は、「家賃を30年保証する」と言って安易に契約を交わしていて、入居が思うように決まらない案件が増えてしまい、支払も滞るようになっていった。
そうなるとオーナーも黙っちゃいないよね。
シェアハウスを建てる場所も最初のうちは良かっただろうけど、だんだん良い物件も少なくなってきて、適当に建てていたんだろうと思う。
資金が少ないにもかかわらず融資を受けられたオーナーが多数いたわけで、30年保証と言われていた家賃が入らなくなれば、銀行への返済ができなくなる。これらが200件、300件となっていけば、消費者センターなり、弁護士事務所に多くの相談が持ち込まれるようになる。
十分な資金がないにもかかわらず、どうやって融資を受けることができたのか?
調べたら、不動産会社、銀行がグルになって不正融資を行っていたことが判明したんだね。
これから一般のマンションやアパートへの投資資金なども調査対象らしいけど、たいへんな数の不正と金額が出てくるのかもしれないね。